別府十湯(べっぷじっとう)は、大分県別府市と由布市にまたがる地域(旧国豊後国速見郡)に点在する複数の温泉地を総称した呼称。かつて用いられていたものであり、現在は代わりに別府八湯(べっぷはっとう)の呼称が用いられている。 速見の湯として神話に登場するなど豊後国速見郡には古代より豊富な温泉が湧き出し複数の温泉地が発達していたが、大正時代までには、旧別府町の別府温泉、旧浜脇町の浜脇温泉、旧石垣村の観海寺温泉、堀田温泉、旧朝日村の明礬温泉、鉄輪温泉、旧亀川町の柴石温泉、亀川温泉、旧北由布村の由布院温泉、塚原温泉の10か所が由布岳・鶴見岳の周囲に点在する主要な温泉地とされ、それらを総称して別府十湯と呼ばれるようになっていた。別府三勝、別府八景、奥別府十勝などと並ぶ別府周辺の観光開発のキーワードであり、その名は広く知られていた。 |